月の欠片
数時間経って目を開けると、
目の前に洸太の寝顔があった。
そのまま、洸太の腕の中で眠ってしまっていた。
(私…洸太と…寝ちゃったんだ…)
お酒も抜けて頭がハッキリしてきた。
所々抜けている記憶を必死に辿る。
(哲也んとこからノブの店に行って…そっから何で洸太んちに来たんだっけ?)
洸太が目を覚ます。
『梨花?おはよう』
『…おはよ』
何だか照れ臭くてまともに顔が見れない。
洸太も同じみたいだった。
目が合って、フフっと笑った。
『何か照れるなぁ』
そう言いながら、腕の中にいる私をギュッと抱き締める。
抱き締めながら、私のおでこにキスをした。