月の欠片
秘密
洸太に車で送ってもらっていた。
『愛美に私達の事、話さない方がいいよね?』
運転している洸太は前を向いたまま答えた。
『あぁ、圭輔くんや哲也にバレると梨花も色々めんどくせぇだろ?男の事もあるし…みんなの前では今まで通りでいいんじゃねぇ?』
『そうだよね…』
わかっていた答えだったけど、
どこか少し寂しい気持ちになった。
(彼氏がいる私のせいか…)
そうしているうちに愛美の家に着いた。
『じゃあ、また連絡するから…ありがとうね』
『おぅ、圭輔くん連絡とれるといいな、哲也とかに聞いてやりてぇけど…』
洸太が何を言いたいのかわかった。
『いいよ、私がやるから。もし、何かわかったら電話して?』
『おぅ、じゃあな』
洸太の車が行くのを確認してから、
愛美のマンションに入った。