月の欠片
気が付くと時間は3時半を回っていた。
『ヤバ…みんな今日!仕事遅れちゃうよ!帰ろっ!!』
私の声に、愛美と圭輔くんも時計を見てハッとしている。
『梨花さん、スイマセンでした…迷惑かけちゃって…』
愛美は泣いてばかりだったせいか、顔がやつれていた。
『愛美、仕事行ける?少し遅れてもいいから、2時間くらい寝なさい。』
まるで母親かのような口調になっていた。
『梨花、マジわるかったな。ありがとな。』
圭輔くんは愛美の肩を抱いて帰る準備をしていた。
『うん、初日から心配かけないでよね!今日、また忙しいだろうし…頑張って!』
二人を残して先に家に向かった。
安心して気が抜けたのか、急に睡魔が襲う。
(ネム…今日、大丈夫かなぁ…)
帰り道に洸太に電話したけど、繋がらなかった。
(そりゃ寝てるよね…)
家に着いて、熱めのシャワーを浴びた。