黒百合の呪い
立っていたのは,真っ赤に咲いている薔薇園
確かここはメアのお気に入りの場所
「リル~,メアがいないよ」
再び私の手を握りながら言ううハク
『呼んでみれば?』
「メア~~」
ハクが私の言ったとおりに,メアの名を叫ぶ
すると
「なんだ?」
薔薇の中から大きな鎌を持った男が出てきた
「メア!」
一目散にメアに向かって駆け出したのは,アン
「おぉ,アンじゃねえか
久しぶりだな」
アンの頭を鎌を持ってない方の手で撫でるメア
『いきなり来てごめんね』
「心配すんな」
そういって私の頭をグシャグシャと撫でる手は,とても落ち着く
思わず目を細める
私の頭上でメアが微かに笑った声が聞えた