黒百合の呪い
『・・・リル
お前・・・・・なんで・・・』
途切れ途切れだが,言葉を発した
「なんで,灰色なのか
でしょ?」
俺の言葉を代弁したかのような言葉
「見たとおりだよ
そのまんま」
どこか楽しそうなリルの声
クルリとまわり向かい合わせになったリル
『灰色が・・・
有り得ない・・・
だって灰色は』
「純白の者と漆黒の者のどちらにもない色」
俺の言葉にかぶせて話すリル
その通りだった
純白の者は,髪や瞳が白や黄色等白っぽい色しにかならない
逆に漆黒の者は,黒や青にしかならない
黒と白の間
灰色なんて,存在する訳がない
力の強い者は,自分の髪色などを変えることができるが,それでも灰色には決してならない
有り得ない