【短編】保健医の憂鬱
「俺はずっと
高宮が…鈴が好きだった。」


「小…松原…。」


「今更
好きじゃないなんて言わせねーぞ?」


ふっふふふ…


小松原の腕の中で

小松原の言葉を聞いたら


なんだか
こんなにも遠回りしていた自分が


その日々が


ずごくバカらしくなって


笑いが零れた



「小松原…?」


「なんだよ?」



やらっぱなしは好きじゃない
呼ばれて私を見つめた小松原の唇に

背伸びをしてキスをした

「好きよ。崇。」

ふわっと微笑むと
小松原の顔が一気に耳まで赤くなるのがわかった



ふふ…


その姿を見て大満足な私は

やっと自分の探していた何かを
見つける事が出来た気がした


どんなに男と寝ても
遊んでも

埋まらなかった寂しさ




でも

こいつなら…


大丈夫な気がする…






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