龍とわたしと裏庭で③【黒魔術編】

夜中にふと目が覚めた。


圭吾さんの腕をそっとすり抜けようとする。


「志鶴?」


もう!

圭吾さんって熟睡する時あるのかな


「トイレ」


「一人で行ける?」


「行けるわよ! 失礼ね」


圭吾さんのクスクス笑いを背に寝室のドアを開けた。


圭吾さんの部屋は三階のフロアを全部使ってマンションのような造りになっている。

トイレまではすぐ――

なんだけど?


廊下の片隅に黒い水たまりのようなモノがある。


何だろう?


目をこらすと水たまりがシュルシュルと縦に伸びて人の形になった。


うわっ! 何?


――見つけた


黒い人型が言った。


――すぐに捕まえるよ


何これ?


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