龍とわたしと裏庭で③【黒魔術編】
「圭吾さんっ!」
怖くなって圭吾さんの名を呼んだ。
「志鶴!」
圭吾さんが寝室から出て来た。
床にへたりこんでいるわたしを見ると慌てて抱き寄せた。
「だいじょうぶ? どうした?」
「あれ……」
圭吾さんはわたしが指差した方を見た。
「何が見える?」
「圭吾さんには見えないの?」
「残念ながら」
「黒い人影みたいなモノ。右の壁側に」
「羽竜の本家に潜り込ませるなんていい度胸だな」
圭吾さんは片手を上げて何かをつかむような動作をした。
「捕まえた」
黒い人影はシュルシュルと縮み、圭吾さんの手の平に吸い込まれるように納まった。
怖くなって圭吾さんの名を呼んだ。
「志鶴!」
圭吾さんが寝室から出て来た。
床にへたりこんでいるわたしを見ると慌てて抱き寄せた。
「だいじょうぶ? どうした?」
「あれ……」
圭吾さんはわたしが指差した方を見た。
「何が見える?」
「圭吾さんには見えないの?」
「残念ながら」
「黒い人影みたいなモノ。右の壁側に」
「羽竜の本家に潜り込ませるなんていい度胸だな」
圭吾さんは片手を上げて何かをつかむような動作をした。
「捕まえた」
黒い人影はシュルシュルと縮み、圭吾さんの手の平に吸い込まれるように納まった。