龍とわたしと裏庭で③【黒魔術編】
黒い影

圭吾さんの気持ちがつかめない。


『怖いから、しばらくの間圭吾さんと寝たい』って言ったら、すごく嬉しそうで

ここしばらくの不機嫌さはどこへ行ったの?

ってくらい上機嫌。


彩名さんが『どんな魔法を使ったの?』って言ったくらい。


ひょっとして悪いのはわたしだった?


「志鶴って『忙しいならいいわ』ってすぐ身を引いちゃうでしょ?」

友達の亜由美に言われた。

「圭吾さんは甘えたり、むくれたりしてほしかったんじゃないの?」


そうなの?

つまらない とか さみしい って言ってほしかったの?


「お仕事の邪魔しちゃいけないと思ったの……」


「誰に対してもだけど、あんたの遠慮ぶりは行きすぎよ」

亜由美の言葉は耳に痛い。

「それじゃ手を差し延べられないでしょ? 誰かに支えてもらうのは悪い事じゃないのよ。あんたも人を支えてやればそれでいいの」

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