龍とわたしと裏庭で③【黒魔術編】
「そんな事ない!」


慌てて言うと、圭吾さんは笑った。


「まあ、僕の事は適当であろうとなかろうと、側にいてくれるなら文句はないんだけどね。もっと自分のこと大切にしなさい」


亜由美の言う通りだ。


圭吾さんはわたしがもっと心を開くのを待っている。


「さて、帰ろうか?」


もう?


「圭吾さん」


「ん? 何?」


「もう帰らなきゃダメ?」


「どうだろう」

圭吾さんは微笑みながら目を伏せた。

「僕は忙しいかもしれないよ?」


「今日は……今は、もっとわたしといて」


「よく言った」

圭吾さんはにっこり笑ってわたしの頭を撫でた。

「特大のチョコレートパフェをおごらせてもらうよ」


「今日はストロベリーの気分」


「その調子だ」

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