龍とわたしと裏庭で③【黒魔術編】
「圭吾ちゃんがきれいな女の子をお屋敷に閉じ込めてるって聞いたわよ」


「それじゃ犯罪だ。学校には行かせてるよ」

圭吾さんは苦笑した。


「安心したわ。ストロベリーパフェとコーヒーね」

ママさんはカウンターの中へ戻って行った。


「昔なじみ?」


「小学生の頃からのね。その頃は僕もパフェを食べてた」


小学生の圭吾さんってどんなだったのかな


「志鶴と一緒に育てばよかったと思うことがあるよ」

圭吾さんが言う。

「きっとベタ甘に甘やかしてた。一緒にここでパフェを食べてた。手をつないで小学校に連れて行った。受験勉強を見てやって、連れて来る男友達を蹴散らしてた」


わたしは笑った。


「いつも似たような事してるじゃない」


「でも、たくさんの時間を無駄にした。もっと一緒にいられたかもしれないのに」


「時間は戻せないわ。それに一緒に育ってたら恋人にはなれなかったかも」


「それは言えてるな。今でも兄貴扱いされて苦労してるんだから」


「ちゃんと恋人だと思ってる」


圭吾さんは何も言わなかったけど、疑わしそうな顔をしてた。


もう。ホントだってば!

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