龍とわたしと裏庭で③【黒魔術編】
古巣へ

放課後、学校に迎えに来てくれた圭吾さんは、ちゃんとわたしの旅行バッグを持ってきてくれていた。


だけど


車を走らせるとすぐに言った言葉は

「怒らないでくれる?」


そういうコト先に言うのね


「内容によっては怒るかも」


「服を買った」


はぁ?


「制服のまま二時間も車に乗りたくないだろう?」


別に構わないけど


「店で着替えられるように手配してある。選んだのは彩名だから気に入ると思うよ」


気に入る気に入らないって問題?


「圭吾さんがすぐわたしに服を買いたがるのは、わたしの服装センスがひどいから?」


「センスが悪いとは思わないよ。だけどうちに来てすぐの服装は、センス以前の問題だった」


「変だった?」


「変じゃないさ。ジーンズとTシャツ、若いんだしかわいいとは思う。でもね、色柄が違うだけでジーンズとTシャツばかりのクローゼットってのもどうかな」
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