龍とわたしと裏庭で③【黒魔術編】
お店に入るとすぐに試着室に案内された。

彩名さんが選んでくれたのはくすんだブルーのフワッとしたワンピース。


んー、確かに自分じゃ選べないデザインだわ


彩名さんが選んでくれるのはいつもクラシカルでシンプルな感じ。

服だけ見ると地味かなって思うけど、着てみるとすごくおしとやかな女の子っぽくなる。

たぶん圭吾さんの好みを考えて選んでるんだと思う。


着替えて戻ると、圭吾さんはクレジットカード明細にサインしてた。

いったいいくらだったんだろ


お店の人が制服をきれいにたたんで、

「ほかのお品物と一緒にお屋敷にお届けいたします」

って言った。


他の品物って彩名さんのお買い物だよね?


圭吾さんの方をチラッと見たけどポーカーフェイス


いいわよ

後で絶対白状させるんだから


とりあえずクールに『ありがとう』って圭吾さんの頬にキスした。


「これはなだめるのに苦労しそうだ」


圭吾さんは横目でわたしを見てつぶやいた。

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