龍とわたしと裏庭で③【黒魔術編】
過去への扉

圭吾さんを見て、なっちゃんは目を丸くした。


「後見人っていうからもっとおじさんだと思ってた」


「おっ、ピザじゃん」

航太が一切れつまんで食べて、水道に直行した。

「バカしー! どんだけタバスコかけてんだよ」


「辛い方がおいしいよ」


「おめぇは限度ってものを知れ!」


「久しぶりだから買い過ぎちゃったの!」


「量の話じゃねぇよっ!」


なっちゃんがケラケラ笑う。


「やっぱり、しーちゃん変わってない。お母さんが変わったって言うから心配したの」


「そんなに変わってないと思うよ――航太、こっちの食べて。なんにもかけてないから」


航太は、圭吾さんの向かい側にどっかり腰掛けてピザを食べはじめた。

わたしとなっちゃんはアイスクリームを食べることにした。


「あんた、仕事してんの?」


航太が圭吾さんに言う。


「不動産関係の自営業だよ。父が亡くなったので家業を継いだ」

圭吾さんは穏やかな口調で答えた。

「稼ぎはいいよ。使用人もいるし、志鶴には何の不自由もない暮らしをさせている――君がききたいのはそういうことだろう?」


「ああ」
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