龍とわたしと裏庭で③【黒魔術編】
航太がケンカでも売るように言う。


「しーがあんたを見る目が気に入らない。あんたの言うことならなんだって聞きそうだ」


「そうだといいんだけどね」

圭吾さんが微笑む。

「これでも志鶴の扱いには苦労しているんだよ」


「後見人って二十歳になったらいらないんだよな?」


「そうだね。でも、志鶴はここには帰らない」


「そうなの?」

なっちゃんが、わたしにきいた。


「うん。ずっと圭吾さんとこで暮らすの。だからケータイ番号とメアド教えてね」


「そうだった。わたし達、いつでも会えたから電話使ったことないもんね」


「おいっ!」

と、航太

「女二人で完結してんじゃねぇよ! なんで、しーが帰って来れねぇんだよ?」


「君に何の関係がある?」


圭吾さんの言葉に航太は言葉を詰まらせた。


「俺はっ!……俺は、しーの幼なじみだ。心配する権利くらいある」


「心配ないみたいだよ、航太」

なっちゃんが言った。


「はぁ? 夏実、何見てんの?」


なっちゃんは、わたしが見せたケータイに保存してある画像を見てた。


「ほら、見て航太。しーちゃんが笑ってる」
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