龍とわたしと裏庭で③【黒魔術編】

翌日、圭吾さんと悟くんと三人で家を出た。


三十分くらい車を走らせ、時間制の有料駐車場に車を止める。


「ここからは歩いてすぐだから」

圭吾さんが言った。


どこか見覚えのある町並み


ここって?


「圭吾さん? わたし、ここ来たことあるわ」


「志鶴が前に住んでいた近くだよ」


ああ、そっか


「どこ行くの?」


「叔父さんの友達だっていう村瀬さんの家へ。昨日、電話で会う約束をした」


「親父のこと何か分かった?」


「分かるんじゃないかな。志鶴に会って話をしたいそうだ」


村瀬さんと会うのはいつ以来だろう?

去年は何度か親父に電話が来ていたけど


そう この道、覚えてる


「そのかどを曲がったら村瀬さんの家だったと思う」


確かにあの家よ

記憶の中にある家とは何かが違うけど


「あの家だね?」

悟くんが圭吾さんに言う。

「じゃ、僕はここで」


「上手くやれよ」


「やだなぁ、僕を誰だと思ってるの?――しづ姫、また後でね」

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