龍とわたしと裏庭で③【黒魔術編】
「いいな、この感じ。静かでさ」

悟くんはアイスクリームを手に戻ってきた。

「僕、このまま三人で暮らしたいくらいだよ。圭吾のとこ置いてくれない?」


「嫌だね」

圭吾さんが笑う。

「お前がいたんじゃ志鶴にキスしてもらえない」


「ちぇっ、騒々しい五人兄弟の中に生まれてみなよ。うんざりするから」


「さて、みんな揃ったことだし」

わたしは圭吾さんと悟くんを交互に見て言った。

「わたしがお風呂に入っている間にしてた話を聞かせてちょうだい」


「僕は風呂まだだから……」


「圭吾さん!」


「はいはい」


圭吾さんは、ため息をついて座り直した。


「僕達が何話してたっていうの?」

悟くんが無邪気そうに言う。


「そうね。ひそひそ話して、わたしの顔を見るなりピタッとやめるような話かしら?」


「エロい話だよ」


「だまされないわよ。村瀬さんのお姉さんを病院に連れて行った時、村瀬さんとずっと話していたわよね、圭吾さん?」


「わざわざ怖い話を聞くことないじゃないか」

圭吾さんが言う。


「怖いかどうかはわたしが決めます」

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