龍とわたしと裏庭で③【黒魔術編】
「ほら、おいで志鶴」


圭吾さんの声が優しく言う。

わたしは手を延ばして抱きついた。


ううん

やっぱりずるいのは圭吾さんの方が上


その声でわたしを言いなりにさせてしまう


「圭吾さんが寝るなら、もう寝る」

圭吾さんの肩に顔をつけてそう言う。

「連れてって」


「そっちの方がすごいコト言ってるじゃないか」

悟くんが笑った。


そう?


何だかおかしくなって、圭吾さんの肩でクスクス笑った。


「じゃあ、僕も寝るよ。後は二人でイチャついてくれ」


悟くんに『おやすみ』と言う圭吾さんの声が耳元で聞こえる。


「圭吾さんといると、笑ったり、怒ったり、ドキドキしたり、いろんなことが起きるわね」


「そう?」


でも、泣くことはないわ


自分勝手だなんて言うけど、いつだってわたしのこと思ってくれてる。


ずるくて、ヤキモチ妬きで、優しい人


「大好き」


「僕の方がいろんなことが起きる気分だよ」


圭吾さんはそう言ってわたしをギュッと抱きしめた。
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