龍とわたしと裏庭で③【黒魔術編】

航太はホントにスーパーマンだわ

フィールドを駆け抜ける足の速いこと!


――コータぁ!


航太の学校の制服を着た女の子達が叫ぶ。


「ひょっとして航太ってモテてる?」

わたしは隣に座るなっちゃんにきいた。


「中学からずっとモテてる。しーちゃんったら気付いてなかったの?」


「知らなかった」


「やっぱり。あっちの二人は放っておいていいの?」


なっちゃんが言うのは、一番後の席で試合を見ている圭吾さんと悟くんのこと。


確かにあのツーショットは目立つ。

さっきから、女の子もおばさんも二人の方をチラチラと見てる。


「悟くんはわたしがどうこう言う筋合いじゃないし、圭吾さんはわたしを好きだもの」


「じゃあどうして今日のしーちゃんは浮かない顔なの?」


なっちゃんにはかなわない。


「なっちゃん、恋してる?」


「理科室の人体模型になら」


「アハハ、人間によ」


「今は全然興味なし。勉強が恋人よ」


「わたしね、圭吾さんのことすごく好きなの。でも、迷ってる」


「両思いなのに?」

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