龍とわたしと裏庭で③【黒魔術編】
「わたしでいいのかなぁって思う時があるの。最後まで行ってガッカリされたらどうしよう?」

思い切って早口で言う。

こんなコトなっちゃんにしか言えない。

「経験ないし、体型にも自信ない」


なっちゃんの向こう側のまつげバチバチの女の子がこっち見た。


あ……聞こえた?
 

「しーちゃんは圭吾さんがイケメンだから好きなの?」


「違う……」


なっちゃんの言いたいことは分かる。


「ねぇ」

なっちゃんの隣に座ってる女の子が言った。

「男の方だって自信なかったりするよ」


やっぱり聞こえてた?


「それにホントに好きならガッカリなんてしないよ」

女の子が言う。

「ガッカリするような男ならろくな男じゃないし。こっちからお断り」


おー カッコイイ!


それから女の子はなっちゃんに『航太の彼女さんだよね?』って言った。


「わたしは双子の姉よ」


「えっ、マジで? じゃあそっちの子?」


「わたしはただの幼なじみ。彼氏は後ろにいるわ」


「航太はフリーだよ」

と、なっちゃん


「やった!」


女の子は小さくガッツポーズした。

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