九弦堂のザッハトルテ
自動ドア大丈夫?
くらいの帽子姿の徳永さん
大きなサングラスにマスク
思わず
口裂け女?
だがハサミの代わりにザッハの箱
やはり二つ
「あの徳永さん、並んでるけど買えないみたいなの」
どうかそれを一つ譲って‼
あたし看病したじゃない‼
と言い終わる頃には
徳永の姿はなく…
「干からびろ‼」
虚しい罵りだけが残る
わたしの前には8人
ザッハはあと10個
ここは仲良く一個ずつしません?
的な圧をかけるが
「ザッハトルテ2個下さい」
世は無情であり
世知辛いものである