だけど、俺は教師でお前は生徒
「今日も暑いな……」



朝からジリジリと照らす太陽にも慣れた頃、



気づけば、夏休みを終え、新学期を迎えていた。



「先生、おっはよ♪ 今日もイケメンだねっ」



「三嶋先生~~♪ 会いたかったぁ」



俺は久々に生活指導のため、校門に立ち、登校してくる生徒たちを出迎えた。



「おぅ、元気だったか??」



まだまだ夏休み気分な自分を切り替えて、今日から“教師”の顔をしなくちゃな。



そう……教師でいる時間をしっかりと……。



久々に見る生徒たち。



夏休みを満喫した生徒や、予備校通いの毎日を送った生徒。



そして、部活ばかりの時間を過ごした生徒もいて様々だ。



「ずいぶん、真っ黒じゃないか??」



「あ、うん。海行ったからねぇ。三嶋先生はどっか行ったの??」



いつもの新学期と違うのは、ただひとつ。



この学校に澤村がいないってこと。



「どこも行ってないよ。ひとり寂しく過ごしてたかな」



「へぇ~~。せっかくの夏なのに、楽しくないじゃん。三嶋先生って彼女いないの??」



「ん?? 彼女??」



「彼女がいれば、デートとか出かけたりするでしょ??」



「まぁ、いることはいるんだけどね」
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