だけど、俺は教師でお前は生徒
今の俺に出来ることを、出来る限りしてやりたい……。



そう思える存在がいるってだけで、今までの俺からしたら幸せだ。



だからもう迷わない。



守りたいものを守るだけ。



「もう、そのお考えは変わらないのですか??」



その日、仕事を終え、俺は校長室へと向かった。



校長は、いつになく真剣な表情で俺を見ていた。



「はい。急な申し出で申し訳ございません……」



「はぁ……そうですか……」



静かな校長室に、校長先生の大きなため息が響いた。



「次の後任が決まるまでは、しっかりと頑張りますので、宜しくお願いいたします」



俺はそう言って、深々と頭を下げた。
< 107 / 117 >

この作品をシェア

pagetop