だけど、俺は教師でお前は生徒
「本当に……?」



目をまるくして驚き、俺の言葉の意味に嬉しそうに微笑む澤村。



「ああ。結婚しよう」



そう。これが、俺の答え。



このために俺は教師を辞めた。



「うん……うん。ありがとう……先生」



何度も何度もうなづく澤村をさらに強く抱きしめる。



「あ、そういえば、俺、もう先生じゃないから」



「えっ?? どういうこと??」



「辞めたんだよ。ただそれだけ」



「そんな……もしかして、あたしのせいで??」



「違うよ。俺が自分で決めたことだから」
< 112 / 117 >

この作品をシェア

pagetop