だけど、俺は教師でお前は生徒
「そうだ。これ、サイズが合うか心配なんだけど……」



俺はポケットから小さな箱を取り出し、澤村へ差し出した。



「これって……」



少しでも俺の想い形にしたいから。



「いいから、開けてみて」



澤村の手のひらに乗せた小さな箱。



「さぁ、左手を貸して」



「…………」



言葉を詰まらせて涙ぐむ澤村の左手の薬指に、



そっとはめたダイヤのリング。



「よし!! ピッタリじゃん。よかった」



まるでサイズを測ったかのように、



澤村の細い指にキラリと光った。
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