だけど、俺は教師でお前は生徒
誰よりも大事で、



誰よりも守りたいもの。



「陽斗……んっ……だい……すきっ」



そんなお前に出会えた俺は幸せだよな。



お互いに唇で何度も求め合う。



いくら求め合っても足りないくらい、



俺には澤村が必要だと実感する。



「俺も……お前だけ」



キスしながら、感じる澤村の気持ち。



お前の笑顔をずっとそばで見ていたい。



これから先、ずっとずっと。



唇を離すと、少し呼吸が乱れた澤村と目が合う。



「これから美波のお母さんに挨拶に行かないとな」



「うん」



堀池先生の弟さんと上手くいっている様子の母親。



反対はされたとしても説得する自信はある。



新しい仕事は大手予備校の講師に決まっているし、



収入面では心配はない。



「お母さんと離れることになるけど、大丈夫か?」



「陽斗と……一緒にいたい」



「俺も美波と一緒だ」
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