だけど、俺は教師でお前は生徒
「三嶋先生??どうしたんですか??ぼーとして。大丈夫ですか??」



職員室で期末テストの採点に追われながら、



いつの間にか、答案用紙を採点する手が止まっていた俺に、



目の前に座る堀池先生が声をかけてきて、我に返る。



「あ、すいません……大丈夫です」



「でも、お疲れなんじゃないですか?あまり無理せず、もうお帰りになってはいかがですか?」



そう言って、心配そうに俺を見る堀池先生。



「いえっ、平気です。ちょっと考え事をしていただけですから」



まさか澤村のことを考えていたなんて言えるはずもなく、



とっさに焦る気持ちを隠しながら、なんとか笑顔でごまかした。
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