だけど、俺は教師でお前は生徒
きっと、堀池先生が恋愛対象なら、何も問題はないんだろうな。



そんなことが一瞬、俺の頭をよぎる。



はぁ……。



俺はどうして澤村のことを考えてしまうんだろう。



自分で自分の気持ちがコントロールできないなんて、こんなの初めてだ。



俺は俺らしく、そして、何よりも、



人からどう思われるのかを気にしているはずなのに。



俺は採点するペースをあげ、余計なことを考えないようにした。



大きな掛け声を合わせながら、グランドを走り出す野球部やサッカー部の生徒達。



試験が終わると、放課後の学校内にもいつもの活気が戻っていく。



この職員室からは、広いグランドがよく見える。



「あのっ、私……三嶋先生の作業が終わるまで待っててもいいですか?」



再び聞こえた堀池先生の声に、俺はまた採点する手を止めた。

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