だけど、俺は教師でお前は生徒
堀池先生の気持ちは素直に嬉しい。



嫌われるより、好かれるほうがいい。



だけど……やっぱり……俺には、



「ありがとうございます……でも」



「……でも??」



俺には堀池先生に何の感情もないから。



「申し訳ないのですが……」



俺はそっと優しく堀池先生の腕をほどきながら、



「俺、気になる人がいるんですよ。って言っても、まぁ、付き合えるような相手じゃないんですけどね……。そんな気持ちであなたと付き合うことなんて、できない……だから、すいません」



「っ……私じゃ……ダメなんですかっ……。こんなに好きでもダメなんですか……っ」



静かな廊下に、堀池先生の泣きじゃくる声が響いた。




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