だけど、俺は教師でお前は生徒
“陽斗君といるとすごく楽しい”



“こんな気持ちのままじゃ、私、結婚……出来ない”



初めて俺の腕の中でそう言った彼女。



俺は嬉しくて、彼女をギュッと抱きしめた。



だって、やっと手に入れた大切な女だから。



だけど……それは一瞬だけの幸せな時間だった。



“俺と結婚すればいい。兄貴には俺から言うから”



“私から言うから……大丈夫”



俺の腕の中で、たしかに彼女はつぶやいて、



見上げるその表情は、初めて会ったあの日のように、微笑んでいたのに。



その数日後、彼女は自ら命を断ってしまった。



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