だけど、俺は教師でお前は生徒
車から出てきた堀池先生は、真っ直ぐに俺を見ていた。



積極的にキスしてきたくせに、あとから恥ずかしくなったのか、少し顔を赤らめていた。



「私、諦めませんからっ……絶対、絶対」



「お気持ちは嬉しいですが、堀池先生のご期待には応えられないと思います」



「三嶋先生が振り向いてくれるまで待つ覚悟ですから……ほんの少しの可能性があるのなら」



「ハハっ……。可能性……ですか」



意外と粘る堀池先生の言葉に、ついつい笑ってしまった俺。



それでも真顔の堀池先生。



可能性??そんなのあるはずもない。



それに俺は、そこまで好きになってもらえるような男じゃないし。



俺はもう恋愛なんて無理なんだから。
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