だけど、俺は教師でお前は生徒
「先生、おはようございます」



「おはよう」



次の日の朝、次々と登校する生徒がくぐりぬける校門。



今日は校門に立ち、服装、髪色など、目立つ生徒への指導をする日。



数人の教師が交代制で担当することになっていて、今日は俺が当番だった。



かったるいが、これも教師としての仕事のひとつ。



「おう、澤村、おはよう」



今日は、なぜか俺から澤村を見つけ、声をかけた。



「あ、先生……」



俺の声に振り向き、駆け寄ってきた澤村。



「ん??どうした??元気ないな」



「三嶋先生、あたし……転校するかも」



俺を見るなり、小さくそうつぶやいた。



「ん??転校??」



いつものような笑顔のない澤村の様子に、冗談ではないことが分かる。



「そう。急にね、引っ越すことになって。お母さんと、お母さんの実家に行くことになったの」

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