だけど、俺は教師でお前は生徒
悲しげな目で俺を見上げる澤村。



そんな表情で見るな……。



心の中の俺の声は澤村には届くはずもない。



俺は、今にも泣きそうな顔をする澤村に、返す言葉を探した。



俺と澤村の前を通り過ぎていく生徒達。



俺は教師だ……生徒が転校するなんてよくあること。



澤村が転校……それがどうした??



なんでこんなに動揺しているのか。



ここが学校で、この場所でなければ、俺はすぐにでも澤村を抱きしめてしまいそうだった。


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