だけど、俺は教師でお前は生徒
やっとすべての授業を終え、職員室へと入ると、



「三嶋先生っ!!昨日はわざわざ送っていただいて、ありがとうございました」



俺を待ち構えていたかのように、堀池先生がすり寄ってきた。



「いえ、そんなのたいしたことではありませんから、気にされないでください」



俺は早足で自分の席に着き、自分のクラスの生徒の名簿を眺めた。



澤村美波。



澤村……お前はここに来るのだろうか。



自分の母親と、その恋人とのことをどこまで知っているのか。



昨日の堀池先生の話が本当のことであるなら、



澤村はどう思い、どう受け止めているのか。



俺にはそれを聞く権利があるのか??



俺は落ち着かない思いで、澤村が来るのを待った。
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