だけど、俺は教師でお前は生徒
それからどれくらいの時間が過ぎたのか……。



「三嶋先生……」



俺の肩をポンっとつつくようにして、後ろから声がした。



「遅くなってすいません」



振り向くと、澤村はペコッと頭を下げた。



「もう来ないかと思ったぞ。まぁ、いい。どこで話す??ここでもいいが、他の先生もいるし、場所を移すか??」



職員室にはまだ数人の先生と堀池先生の姿もあった。



「……三嶋先生と二人で話せる場所がいい」



「そっか……そうだなぁ。応接室行くか」



俺と二人で話す……澤村の言った何気ない言葉に動揺しそうだった。



職員室を出る俺のすぐ後ろを澤村が歩く。



堀池先生の視線も気になったが、今はとにかく澤村のことが心配だった。
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