だけど、俺は教師でお前は生徒

澤村の母親の話によれば、恋人であった堀池先生の弟とは別れたのだという。



お互いのためを思ってのことらしいが、先に話を持ち出したのは澤村の母親のほうだったようだ。



自分よりもはるかに年下である恋人の将来を考えての決断。



自分の幸せよりも、相手の幸せを願っての別れ。



そして、裏切ってしまった夫への懺悔の気持ち。



澤村の母親は、自ら夫にすべてを話した。



話し合いの結果、家を出て、実家に帰ることにした母親。



「お母さんがあたしについて来てほしいって……。でも、もし、お母さんについて行ったら、もう三嶋先生に会えなくなっちゃう」



澤村と会えなくなる……。



「まぁ、そうだな」



俺はいったいどうしたいんだろう……。