だけど、俺は教師でお前は生徒
「これで分かったか??俺もお前のこと好きらしくてさ……」



「本当に??本当に、信じていいの??」



それでもまだ半信半疑な様子の澤村。



まぁ、信じられないのも無理はないか。



「ああ。嫌いな女に自分からこんなことしないだろ?」



俺がそう言うと、澤村は小さく頷き、



やっと、表情を嬉しそうな笑顔に変えた。



「三嶋先生……。あたし、三嶋先生の彼女になれる?」



「当たり前だ。俺はそのつもりだけど?」



冷静な口調でささやくように答えながら思う。



ひょっとしたら、俺はずっと望んでいたのかもしれないってさ。



こうして、澤村と微笑み合えることを。



澤村なら、俺の過去を消してくれるのか?ってね。



ふいにそんなことも浮かんだ。



過去は消えることはなくても、本当の意味での過去に出来る、



なんだかそう思えてならなかったから。

< 68 / 117 >

この作品をシェア

pagetop