だけど、俺は教師でお前は生徒
「さぁ、明日から夏休みだ。部活がある奴以外とは、しばらく会えないな。遊びよりも勉強優先!!悔いのない夏休みを送るようにな」



いつものように黒板の前に立ち、先生らしい忠告を、俺らしく言ってみる。



「あたしは、三嶋先生のいる日に会いに来るからぁ」



と、大きな声で甘えたような大きな声を出すのは、



一番前に座る後藤花楓(ごとうかえで)。



こいつは積極的すぎて、どちらかというと扱いづらいタイプの生徒。



「はははっ、勉強ならいつでも教えてやるよ」



さりげなくかわすけど、教室の後ろの席の澤村を意識せずにはいられない。



あのキスをした日から、俺は何をしていても、澤村が気になってしまう。



ほんの一瞬だけ澤村と目が合ったような気がしたが、



すぐに視線を逸らされてしまった。



それだけで、ただそれだけのことで、



なんだか落ち込んでしまう、こんな俺って、いったいどうなのか??
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