平凡に行きましょう!
半強制的にも(というか無理矢理)自己紹介させられた後妙な空気が流れた。


さっきとは"何か"が違うのだ。確かに紅牙が不法侵入した時から"何か"が違うような感じはしていた。でもそれが今、お互いの名前を名乗った途端周りが暗くなった。



「また何かしたんですか」


「お前ってホント、リアクションがねえよな」



リアクションは顔には出してはいないが、内心ではかなり驚いてる。


さらに暗くなると目の前にいる紅牙にさらなる警戒心を抱いた。元よりそれなりの距離を保っていたがさらに距離を取った。


しかし後ろに下がっても下がっても壁は無い。どれだけ下がってもだ。


それに李香は後ろに下がっているのにもかかわらず紅牙との距離がまったく離れない。紅牙は歩いてない。その場にジッとしてるだけだ。



「頑張ってんな～。無駄なのに」


「無駄でもしないよりはマシよ」



返事を返しつつ、紅牙を睨みつける。その眼は「さっさと元に戻しなさい」と言っている。



「そろそろその警戒心解けよ。別にお前に害は加える気は会った時からさらっさらねえんだから」



この場に似つかわしくないくらいのんびり口調で言った。
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