平凡に行きましょう!
それを確認した紅牙はゆっくりと足を前に進めだした。


先程との表情が違うからか、まっすぐ李香に進んでくる紅牙はさっきの間の抜けた顔から真剣な表情に変わった。



「ちょっとなんですか、こっち来ないで下さい」


「早く終わらせて欲しいんだったらそのまま動かずじっとしてろ」


「怪しい人の言う事なんか聞けません」


「後ろに下がっても下がれない、横に移動しようとしても後ろに下がろうとしたのと同様に意味は成さない」



逃げ場は何処にも無いと、言われてるようなものだ。


逃げるな。


抵抗するな。


大人しくしてろ。



「自己中でしょう貴方」


「お前よりはマシだ」
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