超短編 『夢』 4
ふうっ。

嫌な夢を見たものだ。



「真っ暗だな…」
目を開けたが、何故か部屋の中は真っ暗だった。



その部屋の何処からか、声がした。


「可哀想にこの患者さん。借金返済のために目を…」

「それだけではなくて、あとで腎臓とかも摘出するみたい」




「えっ? なんの…ことだ」


冷や汗が流れた。


「ま、まさか、まだ夢を見ているのか。いや、夢であってくれ」




そう願った時、誰かが入ってきた。



「大至急、新鮮な腎臓がひとつ必要になった。オペの準備を…」

「ヒィィ…」


俺の口から声にならない悲鳴がもれた。
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