ひとりあがり。
「あの子、大人しそうに見えて結構大胆だったんだね。酔ったフリしてさ、お持ち帰りされちゃったんだよ」

「信じらんない!あの明日香が?」

「まぁ、相手の立教ボーイが中途半端なヤツだったから私は興味なかったからどうでもいいけどさ。ね?明日香みたいな子でも、カレシ作りたいって思ったら積極的になるのよ。それが女に生まれた運命よ。わかる?」

「わかるようでわかんない。」

昼休み終了のベルが鳴った。
真面目な子達が学食から出て行く。

普段ならワタシも足早に教室に向かう子のひとりだけど、今、席を立ったら、一生、みほいにも明日香にも女として負ける気がした。

「ワタシだって良い人がいたら積極的にでもなるわよ。」

つっけんどんに言ってやった。

「ほんとに?」
みほいがニタッと笑った。

「じゃあさ、今夜、club行こう。」

「えっ?」

「男、漁りに行こう。面白いイベントやるんだ。」

その日、ワタシは5限目の授業をサボり、みほいの家でイソイソと長めのシャワーを浴びたのだった。
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