あたしの居場所


俯いて黙り込む


「学校で何か嫌な事でもあるの?」


「...っ」


つい反応する


『伝えなきゃ伝わらない』


凪斗の声が蘇る


そして、打ち明ける勇気を出した


「あたし...いじめられてるの...」


「え...?」


今日あったこと、今までのこと、全部を話した。


お母さんは黙って聞き、智城はゲームに夢中だった。


「奈央...今までずっと言わなかったの...?」


「うん...。お母さんに心配かけたくなくて...っ」


「奈緒、ご近所さんに言ってないよね?」


え...?


お母さんを見る


「もしご近所さんにバレたらお母さん...大変だわ...」


あたしじゃ...ないの...?


あたしのこと...心配してくれないの...?


「いい?奈央。誰にも言わないでね?」


なんで...?


「お父さんが居ないから余計白い眼で見られてるのに...いじめられてるだなんて分かったら、ここではもう暮らせないわ」


「そんなの嫌でしょ?」


「はい...」


お母さんは...分かってくれないんだ...






< 10 / 82 >

この作品をシェア

pagetop