あたしの居場所


「ここなら俺ら以外は誰も知らないだろ?」


初めて逢った場所に連れてこられる


「よっと」


近くにある小石を拾って川に投げる


「んな難しいこと考えねえで今を考えろよ。俺らまだまだガキだぜ?親が大人に迷惑かけてナンボだろ。お前も俺に迷惑かけていいんだよ、ばーか」


「あいたっ」


デコピンをされる


「お前は1人じゃねえ。俺が居る。世界を敵に回しても俺はお前を守る」


真っ直ぐあたしを見て言ってくれる


あたしは凪斗みたいな存在を探してた


直樹やお母さんには絶対迷惑かけれないって


心の奥から何もかもを拒絶して、1人でうずくまってた


「...だったら、あたしを助けてよ」


「えっ」


明らかに戸惑う凪斗


「あたし、1人じゃないんでしょ?だったら凪斗、助けてよ」


「...これからをどうするかは奈央しか分からない。だから、奈央にしか出来ないことをしろ」


あたしにしか出来ないこと...


「ありがとっ。あたしはもう大丈夫だよっ」


あたしは凪斗を見て笑う


「無理するなよ」


「ううん、平気。あたし、帰るよ!」


「じゃあ送るよ」


「1人で大丈夫!凪斗も家帰りなよ?」


「あ、あぁ・・」


「じゃあね!」


凪斗とばいばいして家に帰る





< 18 / 82 >

この作品をシェア

pagetop