あたしの居場所
「香奈さんは...?」
「アイツはよく分からねえ」
「分からない...?」
「これ、見てみ」
1枚の写真を受け取る
「誰...?」
1人の男の子を指差して、凪斗に聞く
「そいつは...今はもう居ない」
「居ない...?」
凪斗の顔が暗くなるのが分かった
「そいつが、ここの施設を建てた張本人」
なのに居ないって...?
どうして...?
「そいつは、俺らのお兄ちゃん的存在だった。そいつが居たから、俺らはこうして生きていられる。そいつが居なかったら俺らは...警察で作られた施設に入れられてたと思う」
「そうなんだ...」
みんな、嬉しそうに笑ってる
幼いけど、分かる
凪斗、香奈さん、誠吾君、淳、奈緒美...
その中で1番輝いて笑ってるのがこの人
名前が分からないけど...
「そいつは...1年前、がんで勝手に死んだ」
「がんで...?」
「あのバカ...1年以上も隠れて病院行ってやがって...」
「...心配かけたくなかったんじゃないですか...?」
「そうだろうけど...」
凪斗がこんな顔するの...初めて見るかも...