あたしの居場所
「アイツらには言うなよ。アイツらはもう、悲しみから抜け出せてるんだから」
「はい...」
そんなに...大切な人だったんだ...
「あたしには...分かりっこない人...?」
「...分からないと思う。長年、一緒に居た俺らしか...」
やっぱり...あたしには何処にも居場所はないんだ...
「奈央、お前も寝ろよ」
「うん...」
凪斗は、部屋から静かに部屋から出て行った
あたしはじっと写真を眺める
「あたしには...分からない人...」
絶対...分かりっこない人...
「何処にも...」
居場所がない...
明日から...もうここから逃げよう...
「おやすみ...凪斗...」
写真を机の上に置いて、布団に潜った
微かに太陽の匂い
みんなは...あたしの知らない人...
あたしの知らない過去がある...
「あたしには...」
入れない場所がある...
ここでもない...
あたしの居場所...