あたしの居場所
「両親は...夫婦喧嘩が絶えず...毎日のようにしてました...だからあたし達は...自分から親を離れ...2人で暮らそうと決めました...」
「でも...現実は甘くはなくて...兄は...施設を作ろうと言い出しました...そうして出来たのが、あの施設です...」
無茶ぶりな...
「あの施設に居るみんなは...凪斗が入って来てから...警察署に行って...もらってきた子ばかりです...そうしてあたし達は...幸せに暮らせてたんです...」
「...でも、あのバカは...自分ががんだということを俺らに隠してた...」
凪斗が代わって話し出す
「隠れて...病院に通院してて...結局死んだのは、病院でした...。俺らに内緒で...最後まで1人で死んで行きました...」
「奈央っ!?」
ツツ―...と涙がこめかみを伝う
「奈央...」
そっと誰かが涙を拭いてくれる
「...お願いだから...奈央と2人にしてくれないかな...?」
「.....」
「分かりました...」
「凪斗っ...!?」
「出るぞ、お前ら」
「ちょっ!?」
納得いかないみんなを連れ、廊下へと追い出す凪斗
「あ、奈央に変なマネしたら、俺らが許さないんで」
「分かってるわ、そんなこと」
凪斗...あなたには怖いものなしですか...?
仮にもお母さんですよ...?
「奈央...声出せる...?」
「はっ...」