あたしの居場所

「名前は？」


「奈緒です...」


「中学生だよな？制服だし」


「中１です」


「俺は凪斗。見ての通り中２だ。学校なんか行ったことねえけどな。義務教育だから嫌でも入れさせられた」


クスッと笑う凪斗さん


その笑顔が心地良く思えた


「んで？いじめられてんだろ？アンタ」


「っ！？」


気付かれた...っ


誰にも気付かれずに頑張ってたのに

「悪りぃな。俺、分かるんだよね。アンタみたいに無理して笑う人」


あたしは俯く。


「理由、分かってんの？」


「...」


「黙ってて済むと思うか？俺の目は誤魔化せねえよ」


「あいたっ」


デコピンされる


「言ってみ？」


「・・・」


この人なら、大丈夫だって思えた


「....」


「まだ黙っ...」


「あたし、お父さんが居ないんです」


俯いたまま話すから、凪斗さんの顔は分からない


だけど、静かに聞いてることだけは分かる