あたしの居場所


「お前と俺は...住む世界が違うのか?」


「...違うよ...」


あたしは...いじめられっ子だし...


「生きてる世界って1つじゃねえのか?」


「....?」


「こうやって、俺が奈央を抱き締められる世界。たった1つの世界じゃねえ?俺はそれだけで十分。奈央が1人の世界に行くなら、俺もついてく。俺が奈央を守って、笑わせてやりてえ」


「.....」


「奈央、着いた。行っておいで」


「えっ...?」


なんであたしだけ...?


「俺はここに居るから」


なんで外に...?


「奈央が行かなきゃ意味ねえんだって。早く行ってやれや」


「ちょっ...」


押されて施設の中に入る


凪斗は嬉しそうに手を振ってる


...しょうがない...


中入るか...


施設の中は、静かになってる


誰かが居るようには思えない


なのになんであたしを入れたの...?


「奈緒美ぃ...?誠吾君...?淳...?香奈さん...?」


名前を順番に呼んでみる


だけど、反応は全然ない


どういうこと...?





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