あたしの居場所


「あたし達...全部が間違ってた...」


小さいけど、微かに聞こえる杉下さんの声


「この人から...高木さんの...こと...」


「凪斗が...?」


杉下さんの隣で照れてる凪斗


「あたし達に...もう一度チャンスが欲しいの...新潟なんかに...行かないでよ...」


バンッ!!!


「奈央!!」


屋上のドアが開いて、友美が居る...


「友美...?」


「奈央...!!」


「ちょっ!?」


友美があたしに泣いて飛びつく


「どうしたの...?」


「あたし...怖くて...いじめられるのが怖くて...奈央を犠牲にした...だけど...奈央はこんなあたしを信じてくれて...ひどいことだっていっぱいしたのに...」


「奈央は...グスッ...あたしなんかを...親友だと...思ってくれてた...!!」


「友美...」


大泣きの友美を抱き締め返して、あたしも大泣きした


嬉しいとか、仲直りしたとかじゃない


こんな仲間を...作ってくれたこと...


こんなにもあたしに尽くしてくれる人に...


凪斗に...感謝してる...


「奈央...行かないでよ...」


「友美...」


あたしだって...行きたくないよ...







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